「おや」と思う本のタイトルですね。
松永さんの本は何冊か読んでいます。
エキセントリックな内容ですが、言いにくいことをズバッと言ってくれるので割と好きです。

【中古】 公立校で伸びる子はここが違う! /松永暢史【著】 【中古】afb
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もともとあらままは「何が何でも中学受検成功」とは思っていません。
中学受検が持つ闇の部分も知っていますし、だれもが中学受験に向いているわけではないとも思っています。
なので、この本の内容にも十分共感できます。
読了の結果は「こういう道もありだよね」です。
中学受験を考えていない、公立中学に行こうとしている親御さんにはぜひ読んでほしいし、○○中学合格!にやっきになっている親御さんにもおすすめです。
目次
私立中学の闇 1
中学受験は合格はゴールですが、スタート地点でもあります。
入学してから「授業があまりにハードでついていけない」ということも多々あるという事を、松永さんは口を酸っぱくして言っています。
そりゃそうですよね。
中学2年で中学3年までのことを終えてしまいますから、授業内容はハードにならざるをえません。
皆と遊べないくらい猛勉強したのに、中学に入ってからも授業について行くのにまだ塾通い。
小学校の時はそれで学校ではトップでになれたのに、中学生になってからは周りは秀才ばかりでちっとも上位に入れない・・・。
限界まで勉強しているのに落ちこぼれる・・・。
常に自分のレベル以上の勉強を強いられる・・・。
アリ地獄のようですね。これは辛い。
結局憧れの中学に入ったのに劣等感の塊になり、挙句の果てに登校拒否・・・。
この本の作者の息子さんも、そんな状態になっています。
親御さんは、ぜひ私立中学の授業カリキュラムを知っておいてほしいと松永さんは訴えています。
私立中学の闇 2
また中学が近かったらいいのですが、たいてい私立中学は遠いところにあります。
学校の往復で2時間以上かかるなんてざら。
もうこれだけで疲れてしまいます。
ゆっくり本などが読めると、この時間は無為ではないのですが、そうでない通学なら悲惨。
また遠すぎて友達と遊ぶこともむつかしくなり、学生時代の思い出もなく、学校と家の往復で終わる。
その上勉強についていけなかったら、貴重な土日までも勉強漬け・・・という事も危惧しています。
そして作者、松永さんはこう結んでいます。
「一流私立校に入ってついて行けるのは6年生から勉強しても合格する子(そんな子は実際にいるそうです)
それくらいでないと、入ってからきつくて仕方がない」
「私立に入った方がいい子は、ごく一部の自分で勉強できるような、ずば抜けている子」
私立中学受験で美味しい思いをしているのは、結局進学塾だという事も解っておかないといけない・・・ということです。
身が引き締まりますね・・・。
あらままの甥
実はこの私立中学の闇を、見事に体現しているのがあらままの甥です。
甥っ子のお父さん(あらままの義兄)は
「中学受験をさせてもらえなかった。
私立の学校、いい学校を出た人間しか知らない世界があることを知らなかった、親を恨んでいる。
良い中学にはいったら、いい大学、いい会社にも入れる。
だから子供には中学受験をさせる!!!」
という信念に凝り固まっています。いや家庭の方針だからいいんだけど。
で、嫌がる甥っ子に無理やり小さいうちから猛勉強をさせて、なんとか本命ではない私立中学に合格。
でもその学校は片道2時間かかるし、甥っ子は朝は6時に家を出て、夜は7時に帰宅。
毎日疲れ切ってて、帰宅後はご飯とお風呂、そして9時半に寝るだけ・・・というサラリーマンみたいな生活。
遠すぎるせいか、友達同士で遊ぶこともままなりません。
甥っ子はコミュニケーションもあまり上手ではなく、ゲームばかりしています。
この子はいつもふてくされているし、小さいころから生き生きしているところを見たことがないな・・・というのが親戚の見解です。
この子を見ていると「中学受験の闇」を考えざるを得ない状況になりますね・・。
公立中学のいいところ
そこで松永さんは、公立中学の良いところをいくつか挙げています
人間力がつく
さまざまな子どもが来るので、そのなかでもまれることが出来る
・比較的近いところにあるので、通学時間が短い
その結果友達付き合いができたり趣味に時間をかけることが出来る
金銭的にラク
なので良質の家庭教師や塾に通うことが出来るし、家族で旅行などさまざまな経験をさせてやれる。
その分の費用は、私立の授業料よりはずっと安い
成績上位に入ることがラク
公立中学の授業内容のレベルは、私立に比べるとラク。
そこで上位に入ったら、自信もつくし、「もっとやってやろう」とチャレンジ精神もつく
内申書と付き合うことは社会勉強
理不尽なことは社会に出てからいくらでもある
大事なことは「その理不尽さとどう折り合いをつけていくのか」ということ。
内申書はそのいい練習になる
地元との深いかかわりを持てる
小学校から地元とのつながりは出来ていますよね。
あらままのところでも、地域のボランティアさんがいつも見守ってくれています。
ちなみに公立の先生のレベルを心配している人がいますが、先生の質そのものは公立も私立も変わらないとハッキリ言ってます。
「教えることがうまい優秀な先生は、予備校や塾で倍の給料もらって働いてる」
とも。この辺りホントに辛辣だ・・(でも事実なんだろうな)
公立校には、荒れている所も普通の所も色々ありますが、さほど荒れていなければ、公立でも充分ってことですね。
公立中学でこうすれば一流大学に行ける
とはいえ松永さんは、公立最高だ!公立に進学すれば万事OK・・・・という人ではありません。
公立中学の勉強だけでは大学には行けない!とハッキリ言いきっています。
なので公立中学に入ったら、こうすることを強く勧めています。
・とにかく上位3割に入る事。入れなかったら技術系の進路を考えること
・早めに良い塾か家庭教師をつけて、質の高い勉強をさせる事
公立の授業をあてにするな、学校はもまれにいくところだから、良質の勉強は自分でしろ・・・ということですね。
最後に中高一貫の公立校を勧めています。
ただこの本が出たのは10年前なので、今はもっといろいろあるかもしれませんね。
まとめ
最後まで読んでいただきましてありがとうございます。
ではまとめますね
あまり知られていない私立中学の闇
・入ってからのカリキュラムがキツいところが多く、ついていけない子も出る
・通学に時間がかかるので、趣味や部活などに時間をかけられない
公立中学のいいところ
・人間力がつく
・通学時間が短いので、趣味や部活に熱中できる
・内申書で社会勉強
・地元との深いかかわり
公立中学で一流大学に行くには
・公立校の勉強だけでは絶対にダメ。早いうちから塾や家庭教師をつける
・絶対に上位3割に入ること。むりなら技術系の進学を考える
結局中学受験ってこれが大事なんだと思います。
「母親(父親)がこうだったから子供にもやらせる(やらせない)」ではない。
「子どもを取り巻く環境、時代をよく考え、子どもの能力、精神的成長をよく見て決める」こと。
そして「この子は高校受験で勝負したほうがいい」と判断した場合は、潔く中学受検から降りるという選択肢もありだということを、親は忘れないことだなと。
あらままは松永さんの考え方は基本的に好きです。
常日頃から「学校は、もまれにいくところだよ」と子供にも言ってます。
私立中学に行けなかった場合は、公立校だけで大学まで行こうとおもっていますので、
おおいに参考にさせてもらおうと思います。
何が何でも私立中学!という親御さんや、公立だからもうだめなのかしら・・・という親御さんもぜひ読んでほしいなと思う1冊でした。
ぽちっとなしてもらえたら嬉しいです